将来を真剣に考える生徒にプロのアドバイスを

「ワクキャリ」コース

「ワクキャリ」とは、ワクワクするようなキャリア教育です。

 学習のモチベーションが高まらない…。文系に進もうか、理系にしようか…。どの大学のどの学科に進学したらいいのか…

 

そんな悩みを抱える高校生はいませんか?

「ワクキャリ」コースでは、生徒11人の志望や得意領域、趣味や好みに応じて、小説やマンガ、映画、テレビ番組、記事など、職業を具体的に描いたコンテンツを、豊富な知識に基づき、講師が紹介していきます。

さまざまなコンテンツについて講師と話し合いながら、自分の将来のイメージを固めていきましょう。

未来が見えてくると、勉強もはかどりますよ!

 

 

教室長 渡辺マミ

 

幼稚園から高等部まで東洋英和女学院、東京大学法学部卒。

文藝春秋で編集として勤務。

2008年より東京工芸大学芸術学部マンガ学科講師として「マンガと知的所有権」を担当。

ライフワークとして中学・高校・大学生のキャリア教育に取り組み、多くの生徒・学生のやる気と自信を持たせるよう尽力しています。一児の母として、子育ても奮闘中です。

 


FAX 03-5212-9259

 

10:0020:00(月~金) 10:0018:00(土)

 

時間割・授業料など、詳しい資料をお送りします

最近の「ワクキャリ」授業レポート

英語や国語などの指導にも言えることですが、ワクキャリの場合は特に、何を言うか、より、何を言わないか、を強く意識しています。

 

その生徒のキャパシティ(発達段階や理解度)を超えたことを伝えても、(薬ではなく)毒にしかならないからです。最近、比較的キャパシティのある生徒にワクキャリ授業をしたので、ワクキャリの全体像をお伝えするべく、そのレポートをしたいと思います。

 

生徒は、有名私立高校の1年生。内部進学を希望していますが、近々、理系か文系かを決めて学校に報告しなければなりません。どちらにするか決めかねている、とのことだったので、ワクキャリ授業をすることになりました。

 

まず、学校で適性診断テストをしたということなので、その結果を聞きました。20くらいの職業が並んでいたそうですが、その中で印象に残ったのが、新聞記者、秘書、歯科医師、役者、作家とのこと。

なぜそれが診断結果に出たのか、心当たりがあるか尋ねました。

 

新聞記者と役者、作家については心当たりがありましたが、秘書、歯科医師についてはない、とのことでした。そこで、「将来、なくなる職業があるというレポートは知ってる?」と尋ねてみました。

 

もちろん、オックスフォード大学が2013年に発表した「コンピュータの影響を受けやすい未来の仕事」に関する調査レポートのことです。すると、知っているがまだ読んでいない、読みたい、とのことだったので、まずは、現代ビジネスの「オックスフォード大学が認定

 

あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった」を読んでもらいました。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40925

 

新聞記者、秘書、歯科医師、役者、作家は、どれもコンピュータに代わられる確率の高い仕事には挙げられていませんでしたが、その仕事の一部はすでにコンピュータがやっていることも話しました。コンピュータ(人工知能)が、相場や試合結果についての記事を書いていること。そのうち、どちらのチームのファンかによって、記事内容を変えられるようになること。

 

コンピュータが、スケジュール管理や出張の手配をしていること。コンピュータが作曲した曲と、人間が作曲した曲の見分けがつかなくなっていること。コンピュータが、どの曲がヒットするか、予測するようになっていること。

 

コンピュータが星新一の作品を分析して、小説を書くプロジェクトが進んでいること、などなど。

そのように、コンピュータがやるようになる要素もあるが、人間の仕事として残る要素もあるはずだ、また、コンピュータの進化に応じて、今存在しない職業が生まれるかもしれない、と話しました。

 

人間の仕事として残る要素について考えてもらいましたが、ちょっと難しそうだったので、エンジニアtypeの「テクノロジーの進歩で10年後の働き方はどう変わる?人工知能の専門家が語る「結論」と「持論」」というエントリを読んでもらいました。

http://engineer.typemag.jp/article/ai10

 

同エントリは、人工知能学会前会長で慶應義塾大学教授の山口高平氏への取材記事ですが、コンピュータに代替されにくい要素として、

 

1】クリエイティビティ

2】パーソナル・インテリジェンス(相手の気持ちを考える)

3】手先の器用さ

 

3つを挙げています。

オックスフォード大学のレポートでは、セラピストが最も代替されにくいとされているので、セラピストを上記3点から検討しました。

同様に、新聞記者、秘書、歯科医師、役者、作家についても検討し、心当たりがないと言った秘書と歯科医師について、前者は【2】の、後者は【3】の要素があることを確認しました。

 

このように人間に残る要素があるとしても、コンピュータが何をしているかは理解していないといけない、例えば、新聞記事や小説を書くアルゴリズムをどんなものにするかは、人間が理解し、最終的な判断はしなければならない、つまり、コンピュータについて知っておく必要がある、と話しました。

 

知っておくと言っても、コーディングを学ぶということではありません。特定のプログラミング言語を学んでも、生徒たちが社会に出る頃には使われなくなっている可能性がありますし、コンピュータがコーディングをする世の中になっているかもしれないからです。

 

だから、土台としての数学、物理をきちんと勉強しておくべき、あとは、社会に出てから、必要になった言語なり知識なりをその都度勉強すればいい、と話しました。さらに、今後もコンピュータはどんどん進化していき、ニーズのある仕事もどんどん変わっていくだろう、人間もニーズのある仕事にどんどんジョブチェンジする時代になるだろう、だから、特定の職業というより、自分の「強み」を把握しておくことを勧めました。

 

最後に、文系、理系選択の話に戻りました。文系も数学や物理の授業はあるが、時間は少ないこと、文転は可能であることを踏まえ、「理系を選ばない理由が見つからないね」と言うと、大きくうなずいていました。最終的には、ご家族に相談して、自分でもよく考えて決めるように伝えました。